こちらでは、サブレットという仕組みが浸透している。部屋を留守にする際、そのまま部屋を他の誰かに貸す、という又貸しのようなもの。
家賃が高いマンハッタンにおいて、ルームシェアは当たり前だし、留守の間も少しでもお金を作りたい、ということで、一般的に普及している。短いものだと2日間だけでも借りることもできたりする。私の日本人的感覚からすると、見知らぬ誰かに、たかだか数日間の家賃稼ぎのために、そのまま部屋を貸すってちょっと違和感あるのだけれど、こちらに住んでいる日本人も、たくさんサブレット募集を出していて、合理的な仕組みではある。
借りる側からすると、普通のアパートの契約は2年であること、家具など全部そろえるのはお金がかかること、などから、2年未満で借りる際のメリットは大きい。あとは、住んでいる人が、要はまたそこに戻るつもりで貸す、ということなので、そんなにひどい部屋ではないだろう、という推測ができて、リスクが少ない。
違法な又貸しもあるようだけれど、ちゃんと法律上もクリアできる形をとることもできて、今回、日本人の不動産屋を通して決めた。ちょうどタイミング・場所や料金などの条件もろもろがうまくマッチした部屋を見つけたので、メールと電話であれこれやりとりをして、安心感も持てたので、日本で契約して行った。
貸主と不動産屋と、アパートで待ち合わせすることに。写真で確認はしていたものの、実際見ないと、いろいろ不安ではあった。タクシーで向かって、番地ですぐに場所は判明。ブザーを押すと、すぐに降りてきて、荷物運びを手伝ってくれた。
場所は、きわめて安全そうなエリアで、1Fはどこもオープンテラスのレストランになっている。写真の右の5階建てのアパートが私が住むところ。道路に面していない側の部屋なので、とても静か。
キッチンはかなり充実。フードプロセッサーやミキサーなどあれこれ道具もそろっていて、オーブンも新しくしたようで、自炊するには最適。
貸主はオペラ歌手なので(ヨーロッパ公演などでずっと留守にするためサブレットに出している)、かなりクラシカルな雰囲気のリビング。このほかに、2ベッドルーム、バストイレがある。ピアノも勝手に使っていいよ、と言われたけれど、近所迷惑に違いない・・・。
私が着いた翌日に貸主が旅立つことになっていたので、その前にいろいろレクチャーを受けれたのはラッキーだった。設備の使い方や近所のおすすめスーパーやクリーニングなどもろもろ教わったり、ジムに連れて行ってくれてゲストカードをもらえたり、秋にNYで公演する際にオペラに招待してもらえることになったり(!)。不動産屋さんも含め、とにかくいい人だったからよかった。部屋も特に問題なさそうで、一安心。